前回、「ピカピカモーター」の実験で、    ・モーターを反対方向に回転させたら発電機になる    ・モーターは回転中に逆起電力を発生する           ということを書きましたが今回はそれを検証する実験です。  また自己誘導を発見したヘンリーのお話をさせて頂きます。                電磁誘導発見の裏側に驚く事実が!? @ モーターが発電機になるの?実験 用意するもの ・マブチモーター ・強くて細い糸 ・豆電球(ニップル球)とソケット ・虫ゴム ・瞬間接着剤 ・マブチモーター、ソケットはホームセンターで購入出来ます。ニップル球、虫ゴムはダイソーでも購入出来ます。 作り方、やり方 @ モーターの軸に虫ゴムを取り付けます。   隙間があるので、瞬間接着剤で貼り付けます。   本来、電池を接続する極に、豆電球を取り付けます。 A 虫ゴムの上から強くて細い糸を50回ほど   巻きつけます。 これで完成で〜す! 糸を一気に引っ張ってみましょう。  なぜなの解説、原理 なぜモーターは発電するのでしょうか? まず、モーターと発電機の構造を見てみましょう。 モーターと発電機の構造は全く同じです。 この2つの違いところは、電気を送っているか、コイルを回しているかです。 左の電動機を見てみると、電池から電気が送られていますね。 磁界の中にあるコイルに電流を流すとコイルに電磁力が発生しコイルが動きます。                              フレミング左手の法則ですね。 右の発電機の方は、コイルを回転させています。 磁界の中にあるコイルを動かすとコイルに起電力が発生します。                              フレミング右手の法則ですね。 マブチモーターは、普通はモーターとしての使い方をしますが、 今回の実験では、モーターの軸を回転させたことで、中のコイルが回転します。                  そうすると発電機になって、豆電球が点灯したのですね。 A モーターを回転させたら 逆起電力が発生しちゃうの?実験 用意するもの ・ハンディ扇風機 ・豆電球(ニップル球)とソケット ・単3乾電池と電池ケース ・ミノムシクリップ付コード 作り方、やり方 @ 電池にハンディ扇風機と豆電球が直列になるように 接続します。   ハンディ扇風機は電池を入れるところに金具がついているので、   そこにミノムシクリップ をはさみます。 私はこんな回路を作ってみました。(*゚▽゚*)ノ゙ それではやってみましょう!  扇風機のプロペラを回転させたり止めたりします。 なぜなの解説、原理 なぜ扇風機が回ると、豆電球は暗くなるのでしょうか? 「@モーターが発電機になる実験」の説明のところで、磁界の中にあるコイルを動かすと、コイルに起電力が発生するということを書きましたが、モーターとして回転しているときには、まさしくこれが逆起電力になります。上の 電動機と発電機の図をもう一度見てみて下さい。 磁界とコイルの動く方向は同じですが、電流が反対方向になっていますね。 これでわかるように、回転しながら、反対方向に起電力が起きているのです。 モーターの回転を打ち消すように、逆の方向に起電力を起こすので、逆起電力です。 逆起電力という名称ですが、その正体は電圧で、電池から受け取った電圧を下げてしまいます。 今回の装置で考えてみると、モーターと豆電球は直列に繋いだので、                 モーターと豆電球 両方あわせて 電池から1.5Vの電圧を受け取ります。 @モーターを手で押さえて回転しないようにした状態のとき、豆電球は明るく点灯しています。 Aしかし、モーターを回転させると、豆電球は暗くなっていきます。  モーターが回転することによって、逆起電力が発生します。  電池からの電圧は1.5Vですが、この逆起電力分の電圧が差し引かれるので、  モーターと豆電球あわせて使用できる電圧は低くなり、豆電球は暗くなるのです。  モーター自身は、回転に必要な電圧より逆起電力の方が少ないので回転することが出来ます。  勿論、電池を増やすなどして、もっとたくさんの電圧を与えるとモーターは速く回転しますが、  またそれに見合った、逆起電力が発生するので、やはり豆電球は暗くなります。 B 自己誘導を発見したヘンリーさんのお話 前回の実験「ピカピカモーター」が電池1個で点灯したのは、自己誘導が原因だと考えます。と書きました。自己誘導も電磁誘導の一種ではありますが、1832年にアメリカの物理学者ジョセフ・ヘンリーによって発見されました。ヘンリーは1797年生まれ。ファラデーより6歳年下です。 実は ヘンリーはファラデーが電磁誘導を発表した1831年の前の年(1830年)に電磁誘導の原理を発見                                            していたそうです。ところが、ファラデーのほうが先に論文として発表したために、                           電磁誘導の発見者はファラデーとされました。 その翌年の1832年、ヘンリーは自己誘導を発見しましたが、ファラデーが発表をした電磁誘導の中には、          自己誘導の部分が含まれてなかったので、自己誘導はヘンリーの発見となりました。 ヘンリーの生立ちもファラデーと似ていて、 アメリカ ニューヨーク州の貧しい家庭に生まれ、13歳から時計屋さんで働き、16歳のとき教会で見つけた本がきっかけで科学に興味を持つようになりました。 ヘンリーの功績は、この1832年の自己誘導の発見以前からあって、 1829年、スターゼンが発見した電磁石の改良を行い、1tもの重さの鉄を持ち上げたそうです。 1831年には電信の分野についても実験し、継電器を発明しました。            (自己誘導を発見したのは、この電信の実験中だったそうです。) ヘンリーの功績を称えて、インダクタンスの単位として、ヘンリー[H]が使われています。 そうそう、電磁誘導の発見者としての地位をめぐって、ファラデーとヘンリーの二人の仲は?と思わず想像してしまうのは、私だけでしょうか? ファラデーがイギリスでヘンリーはアメリカなので、接触はないかな?とも思いますが、 ヘンリーは1836年にイギリスへ旅行に行き、ファラデーとの親交が始まったとのことです。    科学を志し、色々と研究や実験を重ね 努力をされた この二人。本当に素晴らしいですね。 「智恵の楽しい実験教室」 「智恵の楽しい実験教室 各号の紹介」 「おもしろ実験と自由研究」 「色の3原色と光の3原色」    光の3原色(加色混合)と色の3原色(減色混合)の違いをシュミレーションしながら計算方法まで解説しています。 「プラコプターを飛ばそう!」    簡単に出来て、子供たちも飛ばすことに夢中になる実験です。 「行ったり来たり」    ゴムの弾力エネルギーを運動エネルギーに変換。振り子も位置エネルギーを運動エネルギーへ。何だか似てますね。 「フランクリンモーター改良版」    静電気で回る、フランクリンモーター。送電線の絶縁効果を高めたので、よくまわります。 「踊るセメダイン」    表面張力に注目し、わかりやすく解説をしています。 「ファラデーの電磁回転」    世界初の電磁力で動くモーターの作り方と原理、ファラデーの功績を紹介。 「ファラデーの電磁誘導」    1831年にファラデーが発明した電磁誘導の説明と実験を紹介。 「電磁調理器を使ってUFOを飛ばそう!」    電磁誘導を利用して加熱する仕組みの電磁調理器を使って、アルミホイルを浮かせます。 「ピカピカモーター」    1.5vの乾電池1個では点灯しないはずの発光ダイオードが電池1個でクルクル回転しながら点灯します。 「モーター発電&逆起電力」    モーターは発電機と同じ構造をしていること、モーター回転しているときには逆起電力が発生する仕組みがわかります。ヘンリーの功績も紹介。 「単極モーター」    「単極モーター」は電池、くぎ、磁石、導線があれば、簡単に出来ておもしろいほど回ります。回る原理はくぎからの漏れ磁束が起因してると考えます。フェライト磁石とネオジム磁石の特徴も解説。 「ミニ掃除機」    ミニ掃除機は簡単な工作で作れます。応用版として自動掃除機にも挑戦! 「イライラ棒」    「イライラ棒」は回路を2回路にしたことで、電極棒がコースから離れてもライトが点灯し続けます。 「電気ブランコ」    「電気ブランコ」はフレミング左手の法則を利用してゆらゆら揺れます。スイッチを工夫したことで電池が持続する限り揺れ続けます。 「イライラ棒」    「イライラ棒2」はリレーを使って自己保持回路を作ることで、電極棒がコースから離れてもブザーが鳴り続けます。最も簡単な自己保持回路の説明を動画でわかりやすく解説しています。 「風船紙コプター」    「風船紙コプター」は風船から出る空気の圧力を利用して、回転しながら上昇をします。 「温風かざぐるま」    「温風かざぐるま」は対流を利用してクルクル回ります。 「くるくる糸」    「くるくる糸」はベルヌーイの定理(流速の速いところでは気圧が下がること)を利用して糸がクルクル回ります。 「アイスキャンデー」    「アイスキャンデー」は氷と塩を使ってマイナス20℃の状態を作り、ジュースを凍らせます。凝固点降下の説明もあります。 「不思議なペットボトル」    「不思議なペットボトル」は水を少し入れただけでどんどんお水が出てきます。大気圧と水圧に注目して考察してみました。 「ファラデーの電磁回転 左側の装置」    「ファラデーの電磁回転 左側の装置」1821年にファラデーが作った世界初のモーターの実験装置の左側の装置の回転方向を検証します。 「電気分解と燃料電池」    「電気分解と燃料電池」は水に食塩を入れて電気分解を行い、その後電気分解で発生した気体(水素と塩素)を使ってモーターを回したり発光ダイオードを点灯させます。 「ガウス加速器」    「ガウス加速器」は磁界に置かれた鋼球(パチンコ玉)がポテンシャルエネルギー(位置エネルギー)を持ち、それを運動エネルギーに変換しながら速度を上昇させていきます。 「くるくるマグネット」    「くるくるマグネット」は磁石2個の間にCDをはさみ、下側の磁石を斜めにした状態で移動させると、上の磁石がクルクル回転します。上の磁石にマスコットを乗せて簡単なおもちゃを工作します。 「コヒーラ」    「コヒーラ」は圧電素子を押して高電圧による火花放電で電磁波を発生させ、その電磁波でアルミホイルの酸化皮膜を破り、モーターを通電状態にします。