モーターや発電機に欠かすことの出来ない磁石ですが、より強力な磁石を使うことで高効率&小型化が可能になります。 最強とされている 「ネオジム磁石」が普及してきたおかげで、生活も変わってきてるとか !? 例えば、携帯電話。バイブレスモーターやスピーカーに使用されたことで小型化が実現できたそうです。 またエアコンのコンプレッサーモーターに使用することで、20%もの電気代の節約が出来ているとのこと。       今回は、この「ネオジム磁石」の威力を実感してみようという実験です。 用意するもの ・ネオジム磁石2個 (※1) ・鋼球7球  (パチンコ玉、ベアリング球など) ・溝のある容器のふたなど(※2) ※1 のネオジム磁石は 直径1cm × 高さ4mm の円柱型ものです。  ダイソーで販売の「2連丸型フック」の中に2個入ってます。  ネオジム磁石の表記はありませんが、強力マグネット3000ガウスと書かれています。 ※2 の溝のある容器は、写真のようなホーロー容器のふたを使用しました。大きさは適当で構いません。  これもダイソーで〜す!    適当な物がなければ、直線のレールでOKです。 作り方・やり方 @ 磁石に鋼球1個をくっつけて、強力な両面テープで   容器のふたに貼り付けます。(対面で2箇所) A 鋼球の後ろに、鋼球を2個置きます。            (磁力でくっつきます。) これで完成で〜す! それではやってみましょう!  どちらかの磁石の手前 3〜4pくらいのところに鋼球を置くだけです。 <ビデオ> 目にも留まらぬ速さです! 特に後でぶつかった方(手前の方)のスピードは 凄いですね。 次は応用編です。是非挑戦してみてね。 用意するもの ・コードすっきり見えま線 (※1) ・直径10oのネオジム磁石1個(※2) ・上で使用した円柱形の       ネオジム磁石1個 ・鋼球4球  (パチンコ玉、ベアリング球など) ・木の板 ※1 「コードすっきり見えま線」は配線コードを収納するためのもので長さ1mです。   写真のようにしなやかに曲がります。ダイソーで購入しました。 ※2 直径10oの球形のネオジム磁石。パチンコ玉が直径11mmですので、若干小さいです。  http://www.neomag.jp/neoexpress/ ここで購入出来ます。 ネオジム磁石、ボール型、Φ10(mm)です。 作り方・やり方 @ コードすっきり見えま線でレールを作ります。   側面は1o程度残して上の方はカッター切り取ります。 A 円柱型のものに巻き付けて   ドライヤーの熱などをあてて   形を整えます。 B 両面テープで板に固定します。 上で使用した円柱磁石と鋼球1個を 強力な両面テープで矢印のあたりに貼り付けて その後ろに鋼球3個を置きます。 これで完成で〜す! それではやってみましょう! <ビデオ>   円柱形の磁石の手前5〜6pのところに球形のネオジム磁石を置きます。 なんと!磁石を置いただけなのに、パチンコ玉がWループ回転しました! ---------------------------------------------- 上の球形のネオジム磁石の入手が困難な場合、ダイソーのフックから取り出した 円柱形磁石を 4個使用すれば出来ます。ただ 回転はワンループで 最初は鋼球を置くだけでなく 速度を与えます。 <ビデオ> 磁石1個では無理ですが、4個にすることによってうまくいきました。 上の磁石同士の衝突ほどではありませんが、かなりの速度で飛び出します。 なぜなの考察、原理 なぜ、端にある鋼球は もの凄いスピードで飛び出すのでしょうか? ネオジム磁石の力が強いから! ということなのですが、これで終わると考察にならないので、もう少し考えてみました。 @ ネオジム磁石が強力なのはわかるけど、フェライト磁石と比べてどれくらい強いの? A 吸着力と吸引力の違いは? B 磁石の吸引力によって、鋼球に位置エネルギー(ポテンシャルエネルギー)が発生!? C 鋼球は位置エネルギーを運動エネルギーに変えながら動いてる! D 鋼球が磁石に衝突・・・鋼球の持ってたエネルギーの行方は? @ ネオジム磁石が強力なのはわかるけど、フェライト磁石と比べてどれくらい強いの? 磁石を購入するときの目安として、○○ガウスと書かれているのを見かけますよね。 このガウスは表面磁束密度のことで、磁石の強さを表す単位として使われてきましたが、 SI系表示では非推奨となり、テスラが推奨されています。1テスラ= 10000ガウスです。 例えば 0.5テスラ(5000ガウス)の磁石では、磁石の表面 1p2あたり磁力線が5000本出ていると いうことですね。磁石の強さを示す指標の一つに、吸着力があります。 これは、磁石に鉄板をくっつけて、それを引き離すのに必要な力です。 同じ形状の 0.5テスラのネオジム磁石と 0.15テスラのフェライト磁石があったとします。 吸着力も表面磁束密度に比例して、0.5÷0.15=3.3 約3.3倍くらいかな?と思いきや・・・ 吸着力は表面磁束密度の2乗と鉄板との接触面積に比例するそうです。 なので、同じ形状なら、なんと!  3.3 2 = 10.9倍 くらいの吸着力になるということですね。 ただ、様々な条件によって異なりますので、一概には言えませんが、驚きですよね A 吸着力と吸引力の違いは? @では、吸着力について見てみましたが、今回の実験は くっついたものを引き離す実験ではなく、         鋼球が磁石に引き寄せられました。 これは、吸着力ではなく、吸引力になります。 吸引力も、空間磁束密度(鋼球が位置するところの           磁束密度)の2乗に比例するので、 テスラ(ガウス)の大きい方が強い吸引力になりますね。 また、この 吸引力は磁石に近づけば近づくほど、  急激に強くなっていきます。(距離の2乗に反比例)        グラフのような関係ですね。  磁石にくっつく瞬間の最大の吸引力=吸着力となります。 B 磁石の吸引力によって、鋼球に位置エネルギー(ポテンシャルエネルギー)が発生!? 鋼球から手を離して、磁石にくっつくまでの距離を移動する間、上のグラフのように吸引力は どんどん高まります。(グラフの左へ行くほど、鋼球が磁石に接近している状態です。) その 瞬間瞬間 の力を足したもの(力を距離で積分したもの)が 鋼球が持っている、位置エネルギー(ポテンシャルエネルギー)となります。磁石の吸引力の大きい方、磁石からの距離が遠い方が、           鋼球はたくさんの位置エネルギーを持つことが出来ます。 C 鋼球は位置エネルギーを運動エネルギーに変えながら動いてる! 位置エネルギーと言えば、重力による位置エネルギーを思い出しますよね。 ボールを持って、地面より高い位置に持ち上げて、手を離すと、ボールは落ちていきます。 ボールの位置エネルギーは落ち始める前が一番大きく、落下しながら 徐々に 位置エネルギーを失っていく代わりに、速度を上げていきます。 位置エネルギーが運動エネルギーに変化しているのですね。 その関係は 力学的エネルギー保存の法則から、 位置エネルギー + 運動エネルギー = 一定 ですね。 磁石が鋼球を引き寄せる様子は、重力によりボールが 落下する様子に似てると思いませんか? 同じように考えると、磁気力による位置エネルギーは、 磁石ではなく鋼球が持っていて、手を離す前が最大の 位置エネルギーで磁石に引き寄せられながら、徐々に 位置エネルギーを失う代わりに、速度を増していきます。 やはり、位置エネルギー + 運動エネルギー = 一定 の  力学的エネルギーの保存の法則は成り立ちますね。 グラフで見ると、こんなイメージでしょうか? 磁石に近づくと急速に速度が上昇していくのがわかりますよね。 D 鋼球が磁石に衝突・・・鋼球の持ってたエネルギーの行方は? 鋼球が磁石に衝突した瞬間、Aの鋼球の速度は0になります。Aの持っていたエネルギーは、 磁石−B−C−Dと受け渡され、それ以上受け渡す相手のいないEが飛び出していきます。 運動量保存の法則によると、AとEの重さは同じなので、Aが衝突した速度でEは飛び出すはずです。 しかし、Eは完全に自由な身ではなく、磁石による吸着力で右の方向に引っ張られています。 B>C>D>Eとなり、だんだん弱い吸着力になりますが、磁石の方向へ引き寄せられています。 そのため、引き離すエネルギーが差し引かれますが、 残りのエネルギーを運動エネルギーに変えて飛び出していきます。 ここまで、長々と書いてきましたが、考察したことのポイントを絞ると、  ・磁界の中に置かれた鋼球は位置エネルギー(ポテンシャルエネルギー)を持つということ。  ・その位置エネルギーは強い磁界の中(吸引力の大きな磁石)の方が、たくさん持てるということ。  ・位置エネルギーをたくさん持つと、            それだけ運動エネルギーに変化出来るので速度が速くなるということ。  ・速い速度で衝突したら、その運動量は受け渡されて速い速度で飛び出すということ。   私は以上のように、ガウス加速器について考察してみましたが、いかがでしょうか? 「智恵の楽しい実験教室」 「智恵の楽しい実験教室 各号の紹介」 「おもしろ実験と自由研究」 「色の3原色と光の3原色」    光の3原色(加色混合)と色の3原色(減色混合)の違いをシュミレーションしながら計算方法まで解説しています。 「プラコプターを飛ばそう!」    簡単に出来て、子供たちも飛ばすことに夢中になる実験です。 「行ったり来たり」    ゴムの弾力エネルギーを運動エネルギーに変換。振り子も位置エネルギーを運動エネルギーへ。何だか似てますね。 「フランクリンモーター改良版」    静電気で回る、フランクリンモーター。送電線の絶縁効果を高めたので、よくまわります。 「踊るセメダイン」    表面張力に注目し、わかりやすく解説をしています。 「ファラデーの電磁回転」    世界初の電磁力で動くモーターの作り方と原理、ファラデーの功績を紹介。 「ファラデーの電磁誘導」    1831年にファラデーが発明した電磁誘導の説明と実験を紹介。 「電磁調理器を使ってUFOを飛ばそう!」    電磁誘導を利用して加熱する仕組みの電磁調理器を使って、アルミホイルを浮かせます。 「ピカピカモーター」    1.5vの乾電池1個では点灯しないはずの発光ダイオードが電池1個でクルクル回転しながら点灯します。 「モーター発電&逆起電力」    モーターは発電機と同じ構造をしていること、モーター回転しているときには逆起電力が発生する仕組みがわかります。ヘンリーの功績も紹介。 「単極モーター」    「単極モーター」は電池、くぎ、磁石、導線があれば、簡単に出来ておもしろいほど回ります。回る原理はくぎからの漏れ磁束が起因してると考えます。フェライト磁石とネオジム磁石の特徴も解説。 「ミニ掃除機」    ミニ掃除機は簡単な工作で作れます。応用版として自動掃除機にも挑戦! 「イライラ棒」    「イライラ棒」は回路を2回路にしたことで、電極棒がコースから離れてもライトが点灯し続けます。 「電気ブランコ」    「電気ブランコ」はフレミング左手の法則を利用してゆらゆら揺れます。スイッチを工夫したことで電池が持続する限り揺れ続けます。 「イライラ棒」    「イライラ棒2」はリレーを使って自己保持回路を作ることで、電極棒がコースから離れてもブザーが鳴り続けます。最も簡単な自己保持回路の説明を動画でわかりやすく解説しています。 「風船紙コプター」    「風船紙コプター」は風船から出る空気の圧力を利用して、回転しながら上昇をします。 「温風かざぐるま」    「温風かざぐるま」は対流を利用してクルクル回ります。 「くるくる糸」    「くるくる糸」はベルヌーイの定理(流速の速いところでは気圧が下がること)を利用して糸がクルクル回ります。 「アイスキャンデー」    「アイスキャンデー」は氷と塩を使ってマイナス20℃の状態を作り、ジュースを凍らせます。凝固点降下の説明もあります。 「不思議なペットボトル」    「不思議なペットボトル」は水を少し入れただけでどんどんお水が出てきます。大気圧と水圧に注目して考察してみました。 「ファラデーの電磁回転 左側の装置」    「ファラデーの電磁回転 左側の装置」1821年にファラデーが作った世界初のモーターの実験装置の左側の装置の回転方向を検証します。 「電気分解と燃料電池」    「電気分解と燃料電池」は水に食塩を入れて電気分解を行い、その後電気分解で発生した気体(水素と塩素)を使ってモーターを回したり発光ダイオードを点灯させます。 「ガウス加速器」    「ガウス加速器」は磁界に置かれた鋼球(パチンコ玉)がポテンシャルエネルギー(位置エネルギー)を持ち、それを運動エネルギーに変換しながら速度を上昇させていきます。 「くるくるマグネット」    「くるくるマグネット」は磁石2個の間にCDをはさみ、下側の磁石を斜めにした状態で移動させると、上の磁石がクルクル回転します。上の磁石にマスコットを乗せて簡単なおもちゃを工作します。 「コヒーラ」    「コヒーラ」は圧電素子を押して高電圧による火花放電で電磁波を発生させ、その電磁波でアルミホイルの酸化皮膜を破り、モーターを通電状態にします。