電磁波と言って想像するものな〜んだ? 携帯電話、テレビ、ラジオ、無線通信、電子レンジ・・・などなど  身の回りのあちこちで電波が利用されてますよね。またパソコンや蛍光灯などなどあらゆる電化製品からも 弱い電磁波が発生しています。でも見えないのでよくわからない・・・ 今回の実験はこの目に見えない電磁波によって、モーターが突然回りだすと言う実験です。 用意するもの ・チャッカマン(※1) ・ハンディ扇風機(※2) ・ドレマカップ ・単3アルカリ乾電池2個 ・電池ケース ・ミノムシクリップ付コード4本 ・アルミホイル ※1のチャッカマン、※2のハンディ扇風機ともに ダイソーで購入したものですが、         どのようなものでも構いません。 作り方、やり方 まず、今回の実験の目的のコヒーラを作ります。 <受信機> @ アルミホイルを8p角の大きさに切ります。   アルミホイルは表と裏の光沢が違って、   裏は少しくすんだようになっていますが、   この裏面が球の外側に出るように丸めます。   丸めると直径7〜8oになりますが   これを15〜20個くらい作っておきます。 A 12p角程度のアルミホイルを折って、   2p幅の帯を2本作ります。   これをドレマカップに両面テープで貼り付けて、   取り合えず球を15個入れてふたを閉めます。      ※貼り付ける帯の位置と球の数は、     実験をしながら微調整していきます。 <送信機> B チャッカマンを分解すると右の写真のようになって   います。 (ネジを外すと簡単に分解出来ます。)   圧電素子を取り出して、リード線を適当な長さに切り、   先端にミノムシクリップ付コードをはさみます。   こうすることによって、圧電素子だけよりも長い距離   の電波を飛ばすことが出来ます。 次に、ハンディ扇風機を改造します。 C ハンディ扇風機の下の方を切り取り、   下からミノムシクリップ挟めるようにします。 最後に、配線をします。 D 電池−ハンディー扇風機−コヒーラ と接続をします。扇風機のスイッチはONにしておきましょう。    (この状態でプロペラが回転してしまうようなら、受信機に入れた球の個数を減らしたり、               両面テープで貼り付けた極の位置をもう少し離すなどしてみて下さい。) これで完成で〜す!それではやってみましょう。 送信機を受信機から少し離した状態で 圧電素子をパチンと押します。 <ビデオ再生> 圧電素子を押すとモーターが回転をはじめ、受信機を動かすと停止しました。 応用編として、チャッカマンの残った部品と発光ダイオード・リチウム電池を使って 扇風機のプロペラ代わりに クククル回転しながら光る「ひかりもの」を作ってみましょう。 チャッカマンから圧電素子を取り出しただけでは 勿体無い と思ってこんなものを作ってみました。 @ チャッカマンの上の方のノズルとその下のつなぎの部分を使用します。 Aノズルの上についているバネを外して下の方に付け替えて   ハンダ付けします B 発光ダイオードの足の短い方(カソード)をさらに短くして、   Aのバネを付け替えた方とハンダ付けします。   (バネに少しだけかかる程度で、    手でノズル部分を揺らすとブラブラ揺れる感じです。)   リチウム電池くらいの直径の大きさのワッシャーに   長い方の足(アノード)をハンダ付けします。 C 厚紙でリチウム電池の平面部分と同じくらいの   大きさのものを2枚作ります。   そのうちの1枚の真ん中にネジを差込みます。   このネジもチャッカマンについていたもので、   長さを少しだけ短く切ってます。 D BとCを合体させてテープで仮止めします。 E その上にリチウム電池を置きます。   リチウム電池は3Vの公称電圧があるので、   発光ダイオードを点灯させることが出来ます。   写真に写っている面がマイナス極です。   マイナス極の上に導線を貼り付けます。   この導線もチャカマンから取り出しました。 F もう一枚の厚紙を上に乗せて、導線は下の厚紙の下に貼り付けます。   周囲全体をテープで貼り付けて、シッカリ固定します。 G 出来たものを、扇風機のプロペラの変わりに取り付けます。   取り付けるときは、   @の写真のノズルを固定しているものを使います。 先ほどと同じように配線をして完成で〜す!それではやってみましょう。 送信機を受信機から少し離した状態で 圧電素子をパチンと押します。 <ビデオ再生> モーターが停止しているときは、発光ダイオードは点灯していませんが、回転すると点灯しますね。 これは遠心力によってノズルの部分が外に振らされ、マイナス極からの導線に接触して点灯するのですね! ・・・と書きたかったのですが、じゃ、モーターを逆回転させたらどうなの??と思い、やってみました。           結果は・・・あれ〜?・・・逆回転でも点灯しちゃいました。 これは、上で作った「ひかりもの」の重心が回転軸の中心からずれているために、偏心モーターのようになり、    全体がブルブル振動します。そのため、ノズル部分が導線に接触して点灯するのだと思います。 なぜなの考察・原理 なぜ、圧電素子を押すとモーターが回転し始めたのでしょうか? それは、圧電素子を押すと電磁波が出るからです。 でも、どうして圧電素子から電磁波が出るのかしら?   圧電素子は、約1万ボルトもの高電圧を発生させることが出来ます。                   そして その高電圧により火花放電が起きて電磁波が発生します。    高電圧を印加し火花放電を起こして電磁波を送信する火花送信機は 今は使われなくなりましたが、    電磁波が発見されたときも、そしてその後の無線通信の手段としても 長らく使われておりました。 1888年に電波の存在を実験で証明したヘルツは、誘導コイルを使って火花放電を発生させて実験しています。     (電磁波の存在を予測したのは、マクスウェルですが実験で証明できておりませんでした。) また1895年にマルコーニが無線通信機を発明したときの電磁波も火花放電によるものです。 1912年に沈没したタイタニック号も火花送信方式の無線通信機を搭載しておりましたが 無線通信機は当時は まだ高価なものだったので 周囲の船は搭載しておらず、SOSを受信したのは93kmも離れた船だったそうです。       (タイタニックが沈没した1912年は真空管の開発が進んでいた頃です。) その後、真空管送信機の開発が進み、火花送信機は廃れていき、1965年に国際的に使用禁止となりました。 では、電磁波はどのように伝わっていくのでしょう? 圧電素子を押すと、電界の変動が起こります。 電界の変動が起きると、それを打ち消そうとして、 その周囲に磁界が発生します。(電磁誘導の法則) 磁界が発生すると またその周囲に電界が発生します。 この繰り返しで、電界と磁界が鎖のようになって空気中を伝わっていくのです。 こうやってみると、ゆっくり進んでいるように見えますが、その速さはなんと 光と同じ速さで、 1秒間に約30万km=地球7週半 という速さです。 (光も電磁波なので、当然と言えば当然かな?) <図> 「電磁波」の電は電界の電、磁は磁界の磁、波は波長の波だったのですね。 よく「電波」という風に略して言いますが、 電波の範囲は、下のようになります。 <図> 電磁波がコヒーラの受信機に到達すると、なぜモーターが回転するのでしょう? これは受信機のところで流れなかった電流が電磁波によって流れるようになったということですね。 それくらいわかるけど、なぜなんだぁ〜? ということで、元祖コヒーラについて調べてみました。 コヒーラは電磁波の検波器として1894年に発明されました。 ガラス管の中に金属粉末を入れ、 電極からリード線が引いてあります。コヒーラの端子間の電気抵抗は何もしないときは高いのですが 電波が到達すると、急に低くなり、電気を通すようになるそうです。   これはコヒーラ内部の金属表面は何もしないときは空気によって酸化されているのですが、        電波によって絶縁組織が破られて、電気を通すようになるとのこと。 今回作った装置で考えてみると・・・   アルミホイルで作った球の表面が空気によって酸化され、電気抵抗が高くなり、   電流を流すことが出来なかったのですが、圧電素子の火花放電による電磁波で 酸化皮膜が   破られて電気を通すようになり、モーターが回転したのですね。   コヒーラを少し動かすと、アルミホイルで作った球の接点が変わり、酸化皮膜のところで   接触すると、電流は流れなくなり、モーターは停止します。 「智恵の楽しい実験教室」 「智恵の楽しい実験教室 各号の紹介」 「おもしろ実験と自由研究」 「色の3原色と光の3原色」    光の3原色(加色混合)と色の3原色(減色混合)の違いをシュミレーションしながら計算方法まで解説しています。 「プラコプターを飛ばそう!」    簡単に出来て、子供たちも飛ばすことに夢中になる実験です。 「行ったり来たり」    ゴムの弾力エネルギーを運動エネルギーに変換。振り子も位置エネルギーを運動エネルギーへ。何だか似てますね。 「フランクリンモーター改良版」    静電気で回る、フランクリンモーター。送電線の絶縁効果を高めたので、よくまわります。 「踊るセメダイン」    表面張力に注目し、わかりやすく解説をしています。 「ファラデーの電磁回転」    世界初の電磁力で動くモーターの作り方と原理、ファラデーの功績を紹介。 「ファラデーの電磁誘導」    1831年にファラデーが発明した電磁誘導の説明と実験を紹介。 「電磁調理器を使ってUFOを飛ばそう!」    電磁誘導を利用して加熱する仕組みの電磁調理器を使って、アルミホイルを浮かせます。 「ピカピカモーター」    1.5vの乾電池1個では点灯しないはずの発光ダイオードが電池1個でクルクル回転しながら点灯します。 「モーター発電&逆起電力」    モーターは発電機と同じ構造をしていること、モーター回転しているときには逆起電力が発生する仕組みがわかります。ヘンリーの功績も紹介。 「単極モーター」    「単極モーター」は電池、くぎ、磁石、導線があれば、簡単に出来ておもしろいほど回ります。回る原理はくぎからの漏れ磁束が起因してると考えます。フェライト磁石とネオジム磁石の特徴も解説。 「ミニ掃除機」    ミニ掃除機は簡単な工作で作れます。応用版として自動掃除機にも挑戦! 「イライラ棒」    「イライラ棒」は回路を2回路にしたことで、電極棒がコースから離れてもライトが点灯し続けます。 「電気ブランコ」    「電気ブランコ」はフレミング左手の法則を利用してゆらゆら揺れます。スイッチを工夫したことで電池が持続する限り揺れ続けます。 「イライラ棒」    「イライラ棒2」はリレーを使って自己保持回路を作ることで、電極棒がコースから離れてもブザーが鳴り続けます。最も簡単な自己保持回路の説明を動画でわかりやすく解説しています。 「風船紙コプター」    「風船紙コプター」は風船から出る空気の圧力を利用して、回転しながら上昇をします。 「温風かざぐるま」    「温風かざぐるま」は対流を利用してクルクル回ります。 「くるくる糸」    「くるくる糸」はベルヌーイの定理(流速の速いところでは気圧が下がること)を利用して糸がクルクル回ります。 「アイスキャンデー」    「アイスキャンデー」は氷と塩を使ってマイナス20℃の状態を作り、ジュースを凍らせます。凝固点降下の説明もあります。 「不思議なペットボトル」    「不思議なペットボトル」は水を少し入れただけでどんどんお水が出てきます。大気圧と水圧に注目して考察してみました。 「ファラデーの電磁回転 左側の装置」    「ファラデーの電磁回転 左側の装置」1821年にファラデーが作った世界初のモーターの実験装置の左側の装置の回転方向を検証します。 「電気分解と燃料電池」    「電気分解と燃料電池」は水に食塩を入れて電気分解を行い、その後電気分解で発生した気体(水素と塩素)を使ってモーターを回したり発光ダイオードを点灯させます。 「ガウス加速器」    「ガウス加速器」は磁界に置かれた鋼球(パチンコ玉)がポテンシャルエネルギー(位置エネルギー)を持ち、それを運動エネルギーに変換しながら速度を上昇させていきます。 「くるくるマグネット」    「くるくるマグネット」は磁石2個の間にCDをはさみ、下側の磁石を斜めにした状態で移動させると、上の磁石がクルクル回転します。上の磁石にマスコットを乗せて簡単なおもちゃを工作します。 「コヒーラ」    「コヒーラ」は圧電素子を押して高電圧による火花放電で電磁波を発生させ、その電磁波でアルミホイルの酸化皮膜を破り、モーターを通電状態にします。